2019/06/22

理論生物学

理学部の加藤さんに朝倉キャンパスよりお越しいただきます。ご来聴お待ちしております。

日時:2019年7月1日(月)14:50-16:20
場所:高知大学物部キャンパス 3-1-13教室
講師:加藤元海(高知大学理学部)
演題:理論生物学研究室で行なわれている研究

理論生物学とは、狭義では、生命科学や生物学における現象を主に数学などを用いて数理的に研究することです。高知大学の理論生物学研究室では、野外の生き物を対象に、なぜそのような行動をとるのか、なぜそのような生態なのかを「考える」ことも広義の意味として研究対象としています。実際に研究室所属の学生は、自然豊かな高知で見られる様々な動物の生態について野外調査をとおして研究しています。理論生物学研究室の長所であり短所である特徴は、測定などを行なう機械や道具が一切研究室にないことです。機器や道具がないので、思うように生物を調べることができません(短所)。しかし、特殊な機械や道具がないことから、対象生物が縛られることはありません(長所)。ただ、たいていの生物は、「工夫」すれば何らかのデータが取れます。これまでの卒業研究や大学院の研究で行なわれた研究は、高知のさまざまな生息場所(山・川・海)に加え、さまざまな分類群、大きさにわたる動物(ヒトを含む)が対象となっています。哺乳類では、コウモリ、カワウソ、タヌキ、キツネ、ヤギ、ニホンザル、ヒト、クジラ;鳥類では、山奥に生息する鳥、フラミンゴ;爬虫両生類では、ヤモリ、カエル、サンショウウオ;魚類では、マンボウ、ジンベエザメ;無脊椎動物では、水生昆虫、サワガニ、プラナリア、ザトウムシ、クモ、マダニ(タヌキの外部寄生虫)、回虫(タヌキの内部寄生虫);その他の項目としては、底生藻類、昆虫食、タヌキの脂が学生たちの研究対象となっています。