2020/01/16

タンポポ

事前の参加申し込みなど不要です。皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2020年1月31日(金)16:30-18:00
場所:高知大学 物部キャンパス 暖地フィールドサイエンス教育研究センター 講義室
*いつもと建物が異なりますのでご注意ください*
講師:京極大助 博士(龍谷大学)
演題:交雑を避けるための適応としての棲み分けの理論的研究と、有性タンポポの雌雄間相互作用

本発表では2つの話題を提供する。まず、交雑を避けるために進化する棲み分けについての理論研究を紹介する。交雑を避ける適応(隔離強化)としては種認識形質の進化が議論されることが多いが、棲み分けが進化する可能性もある。また交雑するような近縁な2種は資源利用能力が似ていることも珍しくないだろう。交雑と資源競争の両方を考慮して、種認識と棲み分けのどちらが生じやすいかを個体ベースモデルを用いて比較したところ、棲み分けの方が生じやすいことが明らかとなった。これは棲み分けが同種個体を集合させることで資源をめぐる競争が種間でよりも種内で強くなることによる。また種認識と棲み分けの両方が進化できる場合には、棲み分けが種認識の進化を促進するいっぽう、種認識が棲み分けの進化を阻害する効果が見られた。発表ではこれらの結果と先行研究の比較についても議論する。

続いて、カンサイタンポポで明らかとなった植物の繁殖生態を紹介する。一般に、有性生殖をする生物ではオス・メス間で利害が一致しないことが多い。他個体のめしべに付着した花粉が、その花の行動(いつ閉じるかなど)を自身に都合のいいように操作する可能性が理論的に指摘されている。しかし、そもそも花粉がその受け手の行動に影響を与えられるのかは良く分かっていない。カンサイタンポポを用いた授粉実験を行ったところ、授粉する花粉の由来によってタンポポの花序が閉じる速度が異なることが明らかとなった。この結果は受け手の行動を操作する花粉が進化する可能性を示唆する。