場所:高知大学 物部キャンパス3-1-11教室
演者:網野 海(東京大学大学院 博士課程)
チョウの擬態とAI ~種間類似度の定量化における深層学習の重要性~
演者は、標識的擬態(ベイツ型/ミュラー型擬態)に着目し、「この種とあの種がどのぐらい似ているのか」を画像分類AIによる特徴抽出を利用することで、定量的に評価する手法を開発している。また、AIによる画像分類の判断根拠は“ブラックボックス”であるといわれ、ときに我々が着目してこなかった特徴量を利用することがある。実際、深層ニューラルネットワークを利用して、博物館で撮影したチョウ標本画像のデータセットを元に翅模様の種間差を説明する特徴量を探索したところ、目玉模様や縞模様といったもの以外に解釈の難しい特徴量が見つかった。これらの特徴量を用いることで人間の主観的な判断に偏らない類似度解析が可能かもしれない。